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話半分

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新・国分日記からリニューアルしました。適当にやっています

【運輸と不経済】3.寸止めの正直

これはJR東海・中央線勝川駅高架化工事の完成予想図です。
b0014915_2234690.jpg

右上に途切れている高架線があります。
これは城北線です。本来なら中央線高架化と同時に
中央線ホームの間の空いているスペースに乗り入れてくるはずだったのですが、
資金不足のため、当分は現在の仮駅で折り返すことになりました。

乗り継ぎ利便性の向上が謳われている現在、
資金不足とはいえいかにも時代に逆行している感が否めませんが…

ここで城北線の生い立ちについて簡単に説明しておきましょう。
国鉄時代に中央線のバイパスとして建設されていた「瀬戸線」を、
民営化後にJR東海の100%出資子会社「東海交通事業」が
旅客線として開業したものです。

現在は中央線の輸送力がそこまで逼迫していないため、
必ずしも緊急に開業する必要のあった路線とは言えません。
しかし、未開業のまま放置しておくと建設費の返済利子だけが
年々増えていく一方なので、なるべく早く建設費の返済を始めるために
とりあえず開業しておくという形態をとったものと推察されます。

そんなわけで、お世辞にも積極的な営業を行なっているとは言いがたい。
単行の気動車が毎時1本。とても大都市近郊の路線として機能しているとは言えません。
中央線高架化に伴う勝川駅の統合で乗換えが飛躍的に便利になり、
城北線活性化の起爆剤にもなると期待されていたのですが、
結局収支の壁の前には二の足を踏まざるを得なかったようです。

もともと城北線のルートは貨物のバイパスを主目的としていたので
既存の鉄道路線との連絡があまり考えられておらず、
名鉄犬山線・地下鉄鶴舞線・名鉄小牧線と交差する路線が多いにも関わらず
直接連絡できる駅が一箇所もありません。
特に名鉄小牧線は名古屋駅へ出るのに最低2回乗り換えるか、
遠回りを承知で犬山駅を経由しなければならず、
城北線と接続していれば小牧線自体の沿線開発にも資したと予想されるだけに
両線の交点に駅が無いのは残念でなりません。
このように、国鉄時代のあまり地域交通を省みない路線計画の
ハンデを負わされているという面では、同情すべき点もあるといえるでしょう。

しかし沿線は決して過疎地帯ではなく、本数の少なさ・他線との連絡の悪さで
みすみす乗客を逃しているとしか思えず、収支の壁があるとはいえ、歯がゆい限りです。
勝川駅統合が先送りされた今、せめて東海道貨物線とレールが繋がっている枇杷島から
あと1駅、名古屋駅までの乗り入れが果たせればと思うのですが、
ホーム容量や乗務員手配等ソフト面で解決すべき問題が多いようです。
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by inuichi | 2006-03-08 02:23 | コラム「運輸と不経済」