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話半分

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新・国分日記からリニューアルしました。適当にやっています

カテゴリ:コラム「運輸と不経済」( 7 )

昨日、降雪の際のJRと私鉄の対応の差について掘り下げるマスコミがないなどと書いたばかりですが、
待ってましたとばかり今朝の朝日(東京本社版)がこんな記事を載せました。題して
大雪警戒、JR東だけ間引き運転 かえって大混乱
そして答えは小見出しにサラッと

「駅間での停車回避するため」

実はこれでだいたい説明がついてしまうんですね。

確かに、列車に乗ったまま駅間で何時間も閉じ込められてしまうというのは、
列車に乗れない人で駅がごった返す以上の苦痛になり得ます。
逃げられませんから。(勝手にドアを開けて脱出すると混乱が拡大する)

しかもJRは私鉄と比べると概して駅間が長い傾向にあります。
それでいて私鉄と変わらない本数を走らせているわけですから、
そりゃリスクが大きいですよね。

品川~横浜で京浜東北線と京急の駅の数の差を見れば一目瞭然です。
ましてやJRは複々線化が進んでいますから、快速に相当する列車は
延々とホームに面してない線路を走ることになるわけです。

JRは路線網が大きく運転系統が複雑だから、という理由を挙げる人もいますが、
これは正解じゃない(俊さん調)。
上の記事の中で原教授が指摘している通り、私鉄も条件は変わらないんです。

確かにJRはの路線網は巨大ですが、線区ごとに完結している場合が案外多く、
複々線のお陰で一つの線路に各停と快速が共存するところも稀です。
その点、複線1つで様々な種別をこなしている私鉄のダイヤの方がよほど複雑なんです。
相互直通もどんどん複雑化してきていますし…
強いてJRの特殊性を挙げるとすれば貨物列車の存在でしょうか。
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by inuichi | 2013-02-08 00:17 | コラム「運輸と不経済」
雪国の人から見れば「首都圏でちょっと雪が降ったくらいで(在京マスコミは)大げさに騒ぐな!」
と文句の一つも言いたくなるかもしれません。
が、その首都圏の中でも
「JRが乱れただけで首都圏全体が乱れたように騒ぐの?」
と違和感を感じた方が少なからずいらっしゃったのではないでしょうか。

本日の雪予報では、JR東日本が早々に在来線の間引き運転を決めたものの実際は大して降らず、
結局間引きによる混雑・混乱だけがクローズアップされてしまいました。
これ自体はそんなに責める気はありません。なるべく慎重を期した結果のことなので。
(何か不具合があっても安全側に動作することをフェールセーフと言います)

ただ、JR以外の私鉄は程度の差こそあれ雪予報に起因する乱れはほとんどありませんでした。
強いて言えば、JRが乱れたことで乗客が流れてきた私鉄(京急など)が煽りで少々乱れたくらいです。
決して根性論ではなく、私鉄で出来たことがJRではなぜ出来なかったのかという点は
もっと深い分析があっていいように思います。

雪の際にJRだけ乱れが突出しているのは何も今回に始まったことではありません。
ただ、JRと私鉄の対応の差について掘り下げた記事というのは、ほとんど目にしたことがありません。
在京マスコミは「住みたい沿線ランキング」の類には熱心ですが、
乗客にとって本当に有用な比較記事にも手を染めてほしいものです。

翻って「間引きによる混乱回避」が本当に有効に作用したのかといわれるとこれも疑問符がつきます。
列車が詰まってにっちもさっちも動けなくなってしまうという最悪の事態を防ぐための間引きなのに、
今回は常磐線において「混雑による運転の見合わせ」が生じてしまいました。
混乱回避のために良かれと思って取った策が、結果的に役に立たなかったわけです。
つまり本当に大雪が降ったとしても、間引きによる対策は功を奏さなかった可能性が高いのです。

ならばどうすればよいか?と問われるとこれまた難しい問題なのですが…
雪予報が出たときは、一定の区間で列車を区切って(系統分断)列車を捌く路線もあるので、
このやり方をもっと水平展開するのも一法かと。
実際そのような思想で、折り返し設備を強化した駅もあります。

一番いいのは、雪の日にも無理に出勤・登校させない土壌づくりだとは思いますけどね。
そうすれば通常通りの客が駅に殺到することもありませんし。

これは台風の際にも全く同じ事が言えます。
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by inuichi | 2013-02-06 23:58 | コラム「運輸と不経済」
東急田園都市線では、4月5日から平日朝ラッシュの上り急行13本を
二子玉川~渋谷間各駅停車の「準急」に格下げすることになりました。

現状では確かにやむを得ない選択であることは理解できます。
急行と各停の乗車率を平均化して遅延防止を図るのが狙いとのことですが、
裏を返せばもはや混雑緩和策が手詰まりであることの証しでもあります。

特効薬となるはずの大井町線溝の口乗り入れ&急行運転でさえ、
その効果を疑問視する声が上がり始めている始末。
逆に、準急化自体が大井町線誘導策ではないかと囁かれるくらいです。

果たして大井町線溝の口乗り入れ後に急行は復活するのでしょうか。
暫くは転移の様子を見てから判断することになると思いますが、
もし「復活は無理」という判断が下されたとしたら、
田園都市線は複々線化されたのにかえってスピードダウンという、
何とも皮肉な結果に終わってしまうわけです。

沿線人口増加が止まらないにもかかわらず、
東急自身による沿線開発が続くなどちぐはぐさも目立ちます。
混雑緩和に対する見通しが甘かったと言わざるを得ません。
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by inuichi | 2007-01-26 01:24 | コラム「運輸と不経済」
JR線が不通のため、京急の利用客をJRで振替輸送する

あれ?日本語が変なんじゃないの?と思われたかもしれません。
が、間違いでも何でも有馬線。事の顛末はこうです。

きょうも京浜東北線が信号故障で不通になりました。
新子安など東海道線が止まらない駅の利用客は
京急を利用するしか有馬線。
振替客がどっと京急に押し寄せ、当然のように改札規制。
ダイヤも大幅に乱れてしまいました。

しかし、京急にも横浜~品川間を通しで乗る客はいますから、
そういう利用客を少しでも東海道線に誘導するために、
京急の定期券等を持っている人が東海道線・横須賀線を利用する
「逆振替」が認められたのです。

本来なら、東海道線なり横須賀線が全駅とはいかないまでも
京浜東北線の駅に臨時停車して乗客を捌ければよいのですが、
線路別複々線ではそれもままなりません。

以前から、地元議員が中心となって
東海道線を鶴見に停めようなどという運動が続けられています。
普段の利用客に言わせれば一笑に付すような内容ですが、
こうも振替のたびに京急が大混乱に陥る様を見せ付けられると、
いっそ停めちゃったほうがいいのではという気にさえなってしまいます。
混乱を少しでもJR線内で収束させるためにも。

「困ったときはお互い様」というのは奇麗事。
これが本当に極稀な出来事ならまだしも、
月に一度くらいのペースで頻繁に起こるから困り者なわけです。
京急本来の乗客にしてみれば、まさにいい迷惑でしょう。
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by inuichi | 2006-05-12 02:06 | コラム「運輸と不経済」
これはJR東海・中央線勝川駅高架化工事の完成予想図です。
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右上に途切れている高架線があります。
これは城北線です。本来なら中央線高架化と同時に
中央線ホームの間の空いているスペースに乗り入れてくるはずだったのですが、
資金不足のため、当分は現在の仮駅で折り返すことになりました。

乗り継ぎ利便性の向上が謳われている現在、
資金不足とはいえいかにも時代に逆行している感が否めませんが…

ここで城北線の生い立ちについて簡単に説明しておきましょう。
国鉄時代に中央線のバイパスとして建設されていた「瀬戸線」を、
民営化後にJR東海の100%出資子会社「東海交通事業」が
旅客線として開業したものです。

現在は中央線の輸送力がそこまで逼迫していないため、
必ずしも緊急に開業する必要のあった路線とは言えません。
しかし、未開業のまま放置しておくと建設費の返済利子だけが
年々増えていく一方なので、なるべく早く建設費の返済を始めるために
とりあえず開業しておくという形態をとったものと推察されます。

そんなわけで、お世辞にも積極的な営業を行なっているとは言いがたい。
単行の気動車が毎時1本。とても大都市近郊の路線として機能しているとは言えません。
中央線高架化に伴う勝川駅の統合で乗換えが飛躍的に便利になり、
城北線活性化の起爆剤にもなると期待されていたのですが、
結局収支の壁の前には二の足を踏まざるを得なかったようです。

もともと城北線のルートは貨物のバイパスを主目的としていたので
既存の鉄道路線との連絡があまり考えられておらず、
名鉄犬山線・地下鉄鶴舞線・名鉄小牧線と交差する路線が多いにも関わらず
直接連絡できる駅が一箇所もありません。
特に名鉄小牧線は名古屋駅へ出るのに最低2回乗り換えるか、
遠回りを承知で犬山駅を経由しなければならず、
城北線と接続していれば小牧線自体の沿線開発にも資したと予想されるだけに
両線の交点に駅が無いのは残念でなりません。
このように、国鉄時代のあまり地域交通を省みない路線計画の
ハンデを負わされているという面では、同情すべき点もあるといえるでしょう。

しかし沿線は決して過疎地帯ではなく、本数の少なさ・他線との連絡の悪さで
みすみす乗客を逃しているとしか思えず、収支の壁があるとはいえ、歯がゆい限りです。
勝川駅統合が先送りされた今、せめて東海道貨物線とレールが繋がっている枇杷島から
あと1駅、名古屋駅までの乗り入れが果たせればと思うのですが、
ホーム容量や乗務員手配等ソフト面で解決すべき問題が多いようです。
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by inuichi | 2006-03-08 02:23 | コラム「運輸と不経済」
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画像は地下街にある静岡鉄道・新静岡駅の改札口です。
地上のホームまでは、階段またはエスカレーターで上がる必要があります。

新静岡駅は終点ですから、その気になれば地上に改札口を作ることも出来ます。
しかし、改札口はこの一箇所しかありません。
バスターミナルは地上にありますし、地上に改札口を作れば
階段を使わなくて済む人が増え、なにかと都合がいいはずです。
それこそバリアフリーです。
地下街へは改札を出たところに階段を作れば済む話ですが、あえてそれをしない。

おそらく、地下街の各商店の客の入りを考慮したものと思われます。
ですから、すべての利用客を地下に誘導することに意義がある。
地上に改札口があっては、テナントにとって不都合なわけです。
近年のバリアフリーの風潮とは相反する思想なわけですが、
手狭なこともあり、今後も大改修の予定は無いでしょう。

それで地上へのルートがわかりやすければまだいいんですが、
実際には迷路のようで、よほど案内表示を注視しないと道に迷ってしまう。
改札を出てすぐバスターミナル等へ上がる階段があるわけではなく、
商店の並ぶ通路をすり抜けていく必要がある。
一見さんには、辛い施設です。

コンビニの進出が県庁所在地のなかで一番遅かったことに象徴されるように、
静岡市は地元商店の保護意識がとりわけ高い、
悪く言えば商売に対して超保守的な土地柄で知られています。
新静岡駅の改札のような設備がまかり通るのも、「商店保護」の精神の
なせる業なのかなあ、とつい想像をめぐらせてしまうのです。
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by inuichi | 2005-05-02 23:03 | コラム「運輸と不経済」
きょうから鉄道界の話題や疑問点について自分なりに考察する
【運輸と不経済】の不定期連載を始めます。
タイトルは財団法人・運輸調査局刊「運輸と経済」誌をもじったものです。(^^;

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鉄道路線同士の乗換の不便を、短絡線の新設による直通運転で
解消していこうという機運が高まりつつあります。
国土交通省が「都市鉄道等利便増進法」をバックに、
短絡線新設などに財政面で支援を行なう方針を明確にしているためです。
適用例として、相鉄線とJR東海道貨物線の交点付近に短絡線を新設し、
相鉄沿線から東京都心への直通列車を走らせようという構想があります。

乗換の不便解消と聞けばいいこと尽くめのように思えますが、
特に短絡線新設による方法については、運用次第で系統の複雑化・
運転頻度の低下を招く諸刃の剣という面も併せ持っていることに
注意する必要があります。

例えば図1のような場合、既存の乗換駅Aが優等列車も止まるような
地域の一大拠点だと、短絡線経由の直通列車と引き換えに
既存の列車を減らしてしまえば、線内利用客からの苦情は必至でしょう。
逆に気前よく増発すると、今度は過剰な輸送力を抱えてしまい
経営的に上手くないことになります。
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図1 短絡線新設のイメージ

こうした不便さを内包した具体例が武蔵野線の京葉線直通です。
図2のように武蔵野線列車には南船橋方面と東京方面の二通りありますが、
特に日中においては東京方面行きが毎時2本と、大都市圏の鉄道としては
決して満足の行くレベルの本数ではありません。
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図2 武蔵野線・京葉線運転系統(一部駅省略)

かといって東京直通を逃がしたら次の南船橋行きで京葉線に乗り換えれば
良いかといえばそうでもなく、場合によっては次の東京行きを待ったほうが
早い場合もありうるのです。
これは乗車駅の時刻表だけではなんとも判断がつかず、どちらが先着するのか
適切な案内が求められるところです。
JR東日本でもこの点は意識しているようで、長らく京葉線の快速は通過だった
南船橋駅に快速を止めて乗換の便を図るなどの改善がみられるようになりました。

少々経緯が異なりますが、元々あった貨物用の短絡線を旅客輸送に利用したのが
JR九州・筑豊本線の折尾付近です。(図3)
国鉄時代は短絡線上に折尾駅は無かったのですが、地域の拠点でもある折尾駅の
目と鼻の先を通っていながら駅が無いのは不便という地元の声に応え、
民営化後には短絡線上にもホームが新設されました。(鷹見口)
改札は別々ですが、もちろん既存の折尾駅と乗換も出来ます。
しかし乗り場が離れている不便さはいかんともしがたく、
黒崎方面や直方方面へ行く場合は、次の列車がどちらの折尾駅から出るのか
予め時刻表で確認した上で動かなければなりません。
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図3 折尾駅周辺現行配線

こうしたことから、折尾駅付近は高架化の際に図4のように
線形を根本的に改める方向で計画が進められています。
ついこの間、4月15日に北九州市と基本協定が結ばれました。
完成は平成31年だそうです。まだまだ先ですね…(^^;
こちらに高架化に伴う線形変更の図面があります。
トンネルを掘ったりと、かなり大掛かりなものです。
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図4 折尾駅高架化後の配線

結論としては、何が何でも直通ありきではなく、
本数や分かりやすさも考慮に入れながら、
最適な輸送体系を築いて欲しいということです。
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by inuichi | 2005-04-23 01:22 | コラム「運輸と不経済」