【運輸と不経済】2.静岡鉄道 新静岡駅
画像は地下街にある静岡鉄道・新静岡駅の改札口です。
地上のホームまでは、階段またはエスカレーターで上がる必要があります。
新静岡駅は終点ですから、その気になれば地上に改札口を作ることも出来ます。
しかし、改札口はこの一箇所しかありません。
バスターミナルは地上にありますし、地上に改札口を作れば
階段を使わなくて済む人が増え、なにかと都合がいいはずです。
それこそバリアフリーです。
地下街へは改札を出たところに階段を作れば済む話ですが、あえてそれをしない。
おそらく、地下街の各商店の客の入りを考慮したものと思われます。
ですから、すべての利用客を地下に誘導することに意義がある。
地上に改札口があっては、テナントにとって不都合なわけです。
近年のバリアフリーの風潮とは相反する思想なわけですが、
手狭なこともあり、今後も大改修の予定は無いでしょう。
それで地上へのルートがわかりやすければまだいいんですが、
実際には迷路のようで、よほど案内表示を注視しないと道に迷ってしまう。
改札を出てすぐバスターミナル等へ上がる階段があるわけではなく、
商店の並ぶ通路をすり抜けていく必要がある。
一見さんには、辛い施設です。
コンビニの進出が県庁所在地のなかで一番遅かったことに象徴されるように、
静岡市は地元商店の保護意識がとりわけ高い、
悪く言えば商売に対して超保守的な土地柄で知られています。
新静岡駅の改札のような設備がまかり通るのも、「商店保護」の精神の
なせる業なのかなあ、とつい想像をめぐらせてしまうのです。
by inuichi
| 2005-05-02 23:03
| コラム「運輸と不経済」